ビルおじさん

お題「何回も見た映画」

周りには映画好きが多いけど、自分から進んで映画館に行くことはあまりない。でもいまでも印象に残っている映画がある。それが「ビル・カニンガム&ニューヨーク」。

界隈では有名で、とにかく「おしゃれな人の写真を撮る」ことを生涯続けた人。ニューヨーク・タイムズ氏のカメラマンである氏は、ほとんど毎日青い清掃員のシャツを着てニューヨークのど真ん中で道行くおしゃれな人を撮りまくってコラムを連載していた。また、セレブのパーティーやパリコレなどにも出向き、とにかくあらゆる方向で最新のファッションを追いかけては写真にとって発表するという、写真とファッションに人生を捧げた人といっても過言ではない。

しかし、華やかなファッションを追い求める姿とはうって変わって氏の私生活は正反対。シアターの屋根裏のような部屋に住み、フィルムの詰まったキャビネットに囲まれて眠る。この部屋でのシーンで「俺の人生はこれだけだからさ」とでも言わんばかりの寂しそうな一人の老人の絵がとても印象的だった。インタビューで「初めて使ったカメラはハーフペンなんだ。倍も撮れたんだぜ」と子供みたいに目を輝かせて嬉しそうに語った表情とのギャップは今でも忘れられない。

残念ながら昨年脳卒中でお亡くなりになってしまった。ハフポストに彼の写真と記事があるので合わせて見ていただきたい。

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